たまブレ、なるボケ

写真、音楽、映画、本、プロ野球。

写真に興味のないアイツを振り向かせるための方法

 前回の記事で「俺は東大院に行きたいんじゃ」と書きました。

 

 あれは、「写真って面白いんだよ!と説得力と権威をもってちゃんと言える人になりたい」という思いに基づくものでした。いま活躍するプロカメラマン、写真家たちが技術論に終始していて、写真そのものの面白さを伝えてくれる人が少ないように感じていたからです。

 

  もっと誰でも気軽に楽しめるものであるはずなのに、iPhoneやその他の廉価なカメラだけでも「写真が好きです!趣味です!」と言ってもいいはずなのに、どこかそれを許さない風潮がある。それがちょっと嫌で、「みんな、もっと楽しくやったらいいよ!」と大きな声でいろんな人に届くようにするため、大学院でまずは自分がしっかり写真とは何かについて深めようと、そう考えておりました。

 

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(流行りに乗って写ルンですを使ったりもします)

 

  でも、大学院ってひとつの手段でしかないんですよね。べつに進学しないとできない、ということではない。

 

  僕にこれを気づかせてくれた人は、こう言いました。「新庄のプレーを見て野球のファンになった人は、彼の経歴ではなく中身を見てるんじゃないか」と。この話、新庄を僕に、野球を写真に置き換えると、つまりこういうことになります。

 

「僕が写真を全力で楽しめば、写真って面白いのかなと思ってくれる人が増えるかもしれない」

 

 いやー、気づいてしまえば単純なことなんですけど、そりゃ楽しそうにやってる人がいたら気になるしやってみたくなりますよね。そんなわけで、大学院進学は一回白紙に戻して再検討しようと思います。2年の時間を得て研究できる機会というのも貴重で、それはそれで楽しいものだなと思います。

 

 今回もここまで読んでくれて、ありがとうございました。ひとつ悩みが消えると、またひとつ増えますね。でも、ちょっと楽しくなる方向に悩めそうです。

 

そうだ、東大大学院いこう

 

おひさしぶりです、れいやです。

 

大学3年生の9月が終わりそうです。周りのみんなはインターンに行ったり留学を検討したりしていて、進路のことについて考え始めたりしている、そんな時期です。

 

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僕も、進路について考えました。学部を出たあと、どうしようかと。考えましたというか、この1年くらいはずーっと同じことを考えていたのですが、やっと方向性が出まして。

 

東京大学大学院文化研究科超域文化科学専攻を受験してみます。

 

主な理由は、以下の7つです。

 

1.死ぬほど入りたい企業がない

⇨きっと面接の席で嘘をつきまくることになるので、それで入ってもあんまり楽しくないだろうな。

 

2.かと言って新卒フリーランスになる自信はない

ツイッターで見かけるフリーランスの方々が面白かっこよすぎて眩しい。みんながみんなフォロワー数万人いて仕事もバリバリやって、じゃなくて全然良いはずなんだけれど、どこか尻込みしてしまう。

 

3.写真史、写真論まわりの研究をしたい

⇨これが1番大きい。アートとしての写真もメディアとしての写真も両方面白い。もっと色んな文献を読みたいし作品も見たい。特にこの『フォト・リテラシー』という本がすごく面白かった。著者が東大の教授だったので、「なぜ東大か?」という理由はほぼこの一点のみ。

 

フォト・リテラシー―報道写真と読む倫理 (中公新書) https://www.amazon.co.jp/dp/4121019466/ref=cm_sw_r_cp_api_ix1ZzbYRTTVZV

 

4.モラトリアム延長したい

⇨高校・大学の7年で死ぬほどやりたい仕事は見つからなかったけど、やってみたい勉強は見つかったので、とりあえずそっちをやってみよう。

 

5.一回社会人になると大変そう

⇨いつかは結婚したりするのかもしれないし、会社に入ればそれなりの責任も負うかもしれないので、いつか行きたくなるくらいなら今のうちに行っといた方がよさそう。

 

6.ドイツで会った先生や先輩に薦められた
⇨よーし!そそのかされちゃうぞ!

 

7.とにかく大学院いってみたい

⇨最終的には直感。いってみたい。

 

周りに大学院進学を考えている人は少なく、すごく心細い感じはします。みなさんからアドバイスをいただけたらとても嬉しいです。それでは、今日のところはこのへんで!

 

 

GPA2.58の大学生がドイツに5ヶ月留学して、得たものと失ったもの

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こんにちは、れいやです。

 

この4月からドイツ・バイロイト大学に留学していましたが、今週ついに帰国しました。なかなかまとめの記事を書けずにいたのですが、そう簡単にひとくくりにできるものではないので、思いついた時にテーマを決めて書いていきます。

 

この記事では、今回の留学で「得たもの」と「失ったもの」をまとめてみます。

 

まず、日本にいたときの僕がどんな感じだったかを簡単に紹介します。

 

【前提条件】

バイトとサークルにかまけて、勉強は僅かな好きな科目だけがんばって、その他多くの科目はほぼ勉強しないクソ文系大学生。GPAは2.58、どっちかというと悪い。半分寝ながら聞いてた講義がたくさん。このままじゃやばい、そうだ、ドイツでも行くか!と思い急ピッチで準備。申請するときの建前としては「写真家になるためにドイツで写真の腕を磨き大学で経営学の講義を履修したい」というもの。嘘をついていたわけではないが、「俺はマジで写真家になるのか……?」という自分への疑問は捨てきれないまま。

 

それでは、行ってみましょー。

 

得たもの

・単位(取れたと思いたい)

・そこそこ日常会話できるレベルの英語力と、たどたどしいドイツ語力

・講義で得た学び

・ドイツでの金銭感覚(ビール1本1ユーロ、パスタ500gは0.39ユーロ)

・美味しいお酒を飲む経験

・海外のチームで野球をする経験

・一人暮らしをする経験

・将来についてゆっくり考える時間

・これから先どうしたいかについての方針

・素敵な友達、先生との出会い

・最終的には色々どうにかなるんじゃね?という精神

・加えて、「どうにかするのはそんなに難しくないけど、良くするのは難しい」という気づき

・体重(3キロ増)

バイロイト音楽祭でのオペラ鑑賞をする経験

・撮った写真(大量)

・旅行の経験(ベルリン、シュトットガルト、ミュンヘンドレスデン、ロンドン、プラハベネチア)(そのうち記事にします)

 

失ったもの

・職(ちょうど契約が切れるタイミングでもあったけれど、続けたいと言えば働かせてもらえた気がする)

・お金(給付型の奨学金で足りなかった分、20万円弱)

・メガネ(紛失)

・北海道で過ごしていれば得られたであろう快適な夏休みの一部、食べられたはずのラーメン、その他

 

結論

留学、行ってよかったです。お金は後で稼げるし。体重も頑張れば減らせるし。

 

別に価値観が変わったとか日本死ねと思うようになったとかは無いですが、自分で何か考えるときに「ドイツではこんな感じだったな」という物差しが一つ増えたのはよかったです。

日本ですでにやりたいことがあって、それに全力を尽くすことができている人は、そのまま頑張り続けたらいいと思います。でも、もし日本にいてどこか倦怠感や閉塞感を感じているのなら、一回行ってみるのも悪くないと思います。留学に行く大義名分があるに越したことはないですが、行きたい!と思うのであればその気持ちに従ってみるのも悪くないと思います。

 

 1学期行っただけじゃどうにもならんでしょ?という声は無視しましょう。どうにもなるかどうかは、その人次第です。もし何か質問等ありましたら、お気軽にご連絡ください。

 

それでは!

 

 

 

 

谷元投手トレードに至る日本ハム球団の意図を忖度する

こんにちは、ファイターズファンのれいや(@reikg_8)です。
 
衝撃的なニュースが発表されましたね。
 
日本ハム・谷元投手、金銭トレードで中日へ。
 
 
日本時間の朝の発表だったので、僕が今いるドイツでは深夜の発表。さあ寝ようかというところで目が覚めてしまいました。二時間後になんとか寝付いたものの、鼻血が止まらなくなってまた目覚めました。なんかもう体が動揺してますね。
 
谷元圭介という投手が、僕は本当に好きでした。身長167cmの小柄な体から繰り出す150キロを超える速球を武器に、勝ち試合負け試合関係なく、主に中継ぎとして活躍。時には谷間の先発までこなす「便利屋」でした。ここ数年は勝ちパターンのセットアッパーとして活躍し、去年の日本シリーズでは胴上げ投手にもなりました。今シーズンもここまでフル回転し、低迷するチームを支えてきました。個人的には、自分と同じような身長の選手がプロの第一線で活躍する姿に、何度励まされたことか。
 
そんな主力投手が、なぜ放出されるのか?
意味不明なので日本ハムファンを辞めるところですが、頑張って球団の意図を忖度してみます。
 
大きく分けて4つの意図があると思われます。
 
①年齢の問題
今年で32歳になる谷元投手は、一般的な見方をすれば「ピークの過ぎた」選手。これから先、爆発的なブレイクをする可能性よりは、成績が先細っていく可能性の方が高い。
同じようにリリーフ投手で身長も似ている武田久選手は、35歳になるシーズンを最後に1軍の最前線から遠ざかっている。ならば、価値が高いうちに放出した方がいい。数年後に大幅減俸したり戦力外通告するよりも、本人のためになるだろう。
 
②年俸の問題
今年の谷元投手の年俸は推定1億円。決して安くはない。加えて、今後その年俸に見合う活躍ができる可能性が低い。それなら、今のうちに金銭トレードで放出した方が、
コストカットにもなるしお金も手に入る。
 
③FA権の問題
谷元投手は今年FA権を取得した。選手が「FA権を行使します」と宣言すれば、
他球団と移籍の交渉ができるようになる権利だ。長年日本ハムのリリーフエースとして活躍してきた選手なので、宣言すれば獲得に乗り出す球団は少なくないはずだ。
どうせ今年のオフに出て行ってしまうのなら、今のうちにトレードに出してお金をもらっておこう。
 
④若手起用の方針の問題
今年32歳になる谷元投手に頼りきりになるよりも、若い投手を優先的に起用して経験を積ませ、育てていきたい。これから先その方針のために谷元投手の登板機会が減ってしまうなら、彼を強く求めているチームに移籍させた方がいいだろう。
 
 
きっと谷元投手はこれから先もドラゴンズで登板機会を得られるし、今年のクライマックスシリーズに進める可能性も(ファイターズにいるよりは)高くなりました。日本ハムもコストカットに成功し、若手を起用しやすくなった。ドラゴンズも手薄なリリーフを自球団の選手を放出することなく、しかも実績のある投手を補強できた。
 
なんだかみんな幸せになっているような気がします。
Win-Winどころか、両球団と谷元投手を合わせてWin-Win-Winですね。
 
では、今のところ、幸せになっていないのは誰でしょう?
 
我々ファンじゃないでしょうか。
 
通常、実績のある球団の功労者は、引退試合が開かれてファンとの別れを惜しむものです。昨年武田勝投手が引退した時、ファンは両手を振って別れを惜しみました。しかし、谷元投手とは突然の別れになってしまいました。彼は札幌ドーム、または新球場で引退試合をやるものだと疑っていなかっただけに、余計にショックです。
 
これからファンが幸せになるには、
①谷元投手がドラゴンズで大活躍する
日本ハムに新たな鉄腕リリーバーが現れる
しかないのだと思います。
 
厳しいプロ野球の世界。決まってしまったことはどうしようもありません。それなら、ファンにできることはドライなフロントを批判することではないはずです。谷元投手、そしてチャンスが巡ってくるであろう若手投手を応援することが大事なのではないでしょうか。元日本ハム戦士の阪神・糸井に巨人・陽岱鋼らと谷元の対戦が見られるのは、ファンとしては面白いかもしれない。とにかく、ドラゴンズでも頑張ってほしい。
 
 
 
今年のオフにFA宣言して、帰ってこないかな。
 

 

ドイツ留学におけるパケット事情〜帰国1ヶ月前にして気づく衝撃の事実〜

こんにちは、iPhone7ユーザーのれいや ( @reikg_8 ) です。

最近「iPhoneのカメラがヤベェ」しか言ってない気がします。

 

 

 

 

さて突然ですが、iPhone7のSIMロックは解除できると聞いてびっくらこいたので、ブログにまとめようと思います。 

 

ここまでのドイツでの留学中、基本的にWi-Fiを頼りに生きていました。大学構内や飲食店等ではFree Wi-Fiがあるので、ありがたく接続させてもらっています。特にバイロイト大学の中のWi-Fiはとても速く、すごく助かっています。

 

データローミングをオンにすればドイツの通信事業者の4G(または3G)回線に接続することもできます。しかし、僕が契約しているソフトバンクの場合、ローミングオンすると2000円近く取られてしまいます。1日に2000円です。毎日使ってたら月6万ですね。これはちょっと現実的ではない。やはり、基本的にはWi-Fi頼みになります。

 

ただ、このやり方だと旅行の時などは困ります。知らない土地でGoogle Mapを開けないのは結構痛いですから。乗り換えわかんない!そもそもここはどこだ!私は誰だ!アーイデンティティーがなぁぁああぁあぁあい!ということになります。

 

www.youtube.com

 

アイデンティティ喪失の危機を回避するため、賢い僕はamazon.deで80ユーロのSIMフリー端末を買い、プリペイドSIMを挿して使うことにしました。

(こんなの↓)

 

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https://www.amazon.co.jp/DOOGEE-Proスマートフォン-FDD-LTE-スクリーンAndroid-スマートジェスチャー/dp/B01IHN4YCQ 

 

あまりに安かったので心配でしたが、マップやブラウザは問題なく動作しました。指紋認証もきちんと使えます。先日行ったベルリン旅行でも、大いに僕を助けてくれました。ただ、LINEのインストールができない(iPhone7で使っているアカウントを引き継ぐと、iPhone7の方で動作しなくなる)など細かいイライラポイントはありました。やっぱり、全部iPhone7一台でできた方が楽なんですよね。

 

なんとかならないもんかなあ、と何の気なしにドイツ滞在歴の長い先輩に漏らすと、「iPhone7のSIMロックを解除すればいいんじゃない?」と革命的なお答えが返ってきました。

 

えっ?そんなんできんの?

 

できました。My Softbankから申請すれば一発です。

www.softbank.jp

 

ログイン後、SIMロック解除申請のページから、iPhone7の「設定」→「情報」に記載されている製造番号を入力して送信するだけ。あとは同様にプリペイドSIMを買ってきて、iPhone7に挿せばいいだけ。

(※ただし、SIMロックを解除するには契約後180日が経過した端末である必要があります。ご注意ください)

 

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Vodafoneという会社のショップで買いました。特に複雑な契約は不要ですが、ビザかパスポートを見せる必要がありました)

 

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iPhoneの右側面にある穴に、何か細長いものを挿すとSIMカードの入ったトレイが出てきます。iPhoneを買った時についてくるクリップのようなものが純正のオープナー(?)ですが、シャーペンの先でもできました)

 

なんてこった。今までの苦労は、安端末につぎ込んだ80ユーロは、一体なんだったのか。今まで使っていたSoftBankのSIMも、契約を打ち切らない限り普通に使えます。なんてこった。

 

〜まとめ〜

Wi-Fiだけで生きていけないこともないけど、旅行の時は大変

②データローミングオン(現地で3G、4G回線に接続)は、長期滞在の場合割高

SIMフリー端末を現地調達する前に、自分の端末がSIMロック解除に対応しているか調べた方がいい

④外でiPhoneを使えるのは本当に便利

 

これから海外に行く皆さん、どうか気をつけてください……。

 

それでは!

 

 

 

 

遠くなったBUMP OF CHICKENに追いつけたような感覚

中学生の頃、生まれて初めてCDを買った。
 
BUMP OF CHICKENの「Jupiter」。
 
お昼の放送だったかテレビだったか、
とにかく何かしらの媒体で聞いた「天体観測」に引き込まれて、
インターネットで検索するということを覚えたばかりの僕は、
『BUMP 天体観測』と検索し、
その曲がアルバム「Jupiter」に収録されていることを知り、
アマゾンで3000円ちょっとで売っていることを知った。
家から歩いていけるようなところにCDショップはなかったから、
クレカを借りて、お小遣いで買った。
母が「えっ、アルバムなの?」と驚いた時の顔が、なぜか忘れられない。
 
 
数日後、部活を終えてクタクタになった夜。
そのCDが届いていた。
気を使ってくれた母が「晩御飯食べながら聞こうか」と言ってくれた。
メニューはミートソースのスパゲッティだった。
「英語のリスニング用に」と買ってくれたCDラジカセに、ディスクをセットした。
(余談だが、英語のCDなんて滅多にかけないうちに落として壊してしまった)
一曲目、知らない曲だった。
「Stage of the ground」というその曲で、藤原基央はこう歌っていた。
 
迷いながら/間違いながら/選んだその姿が正しいんだ
君が立つ地球はほら/360度全て道なんだ 
BUMP OF CHICKEN「Stage of the ground」より)
 
痺れた。
クーリッシュを30個買えるだけの額を出した価値があった、と確信した。
半分死にかけた顔でスパゲッティを食べながら、
母に「どう?」と聞かれて、
「良い」って言った。
あの時はCDのことについて聞かれていると思ったけど、
今思うとパスタの感想を求められていたのかもしれない。
まあどちらにしろ、それは良かった。
すごく良かった。
 
 
それからは簡単だった。
FLAME VEINユグドラシル、Present from you、Orbital Periodをレンタルして、
これまたWindows XPに取り込んで、
当時使っていた小さなMP3プレイヤーに入れた。
ほとんどの曲を、歌詞を暗唱できるまで聴き込んだ。
シングル曲だけでなく、アルバム曲も聴き込んだ。
(今、父がこのプレイヤーを使っている。もう7~8年は経つから、あれを作ったHITACHIは凄い)
 
 
ある秋の日。
東京FMのラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」で新曲が宇宙初公開されると知った。
この頃にはバンプのウェブサイトを定期的に訪問し、
何か新しい情報が無いかと確認していたし、
出たてのシングル「宇宙飛行士の手紙/モーターサイクル」も買ってた。
宿題は適当にこなし、藤原が何を言いたいのかを読み解くのに必死だった。
 
 
夜10時、例のラジカセの前に正座して聴いた。
ウェザーリポート」という曲だった。
最新アルバムに収録されるという。
軽快なメロディ、そして、心に優しく寄り添ってくれるような歌詞だった。
雨の日のバスなんかで、今も聴きたくなる。
バンプの中でも、特別に好きな曲だ。
 
そうして発売されたアルバム「COSMONAUT」。
これまでの例に漏れず、XPで取り込んでプレイヤーに移し、
全曲暗記するまで聴き込んだ。
この歌詞はこんなことを言ってるんじゃないか?
これって完全に俺のことじゃん?
色々考えていた。
いわゆる「捨て曲」がなかったし、全部の曲に心を動かされた。
この時のBUMP OF CHICKENは、紛れもなく世界最高のバンドだった。
 
 
中学を卒業する少し前、友達に「アジカンはいい」と熱心に勧められた。
SCOOL OF LOCK!のページで、「アジカンLOCKS!」の文字を目にしたことはあった。
だから、そのバンド名は知っていた。
逆に言うとバンド名しか知らなかった。
なんとなく、チャイナドレスを着たお姉さんがバンドやってるのかな?と思っていた。
「アジア」と「カンフー」に対するイメージが貧困だった。
正直、あまり興味を持っていなかった。
それを察してか察さずか、とにかくこのCDを聴け!と友達が渡してくれた。
曲名も知らなかったけど、なんとなくいいなと思って聴き続けた。
あれ良かったよ、と友達に言うと、ドヤ顔で
「これがアジカン」と言われた。
お姉さんたちのバンドだと思っていた俺は死ぬほど驚いた。
そして、アジカンにズブズブと傾倒していった。
バンプよりも抽象的で、詩的で、暗い曲が多かった。
鬱屈していた自分にはちょうど良かった。
中学3年生の終わりから今まで、消してリライトしまくっている。
アジカンにズブズブになる一方で、
バンプへの興味を急速に失っていった。
高校2年生ごろからバンプはシングルを配信限定で出すようになり、
CDをウォークマンに取り込む派だった俺は行き場を失った。
ますます消してリライトした。
きっと悪い種が芽を出してもうさよならなんだ、と思うようになった。
 
時々、YouTubeバンプの新曲もチェックした。
でも、響かなくなっていった。
ちょっとすれていて、斜に構えている方がかっこいいと思っていたからだ。
「ray」で「生きるのは最高だ」とストレートに歌い上げる藤原に、違和感を感じた。
自分のその時の状況では、「生きるのは最高」と言えるだけの自信がなかったからだ。
映像関係の大学に行ってみたいけれど、私立大学の学費はべらぼうに高い。
東京に出てみたいけど、お金を工面できる見通しが立たない。
かと言って国立大学に行ける学力もない。
全然最高じゃなかった。
今までできていた、「BUMPに共感する」ことができなくなってしまった。
そして、「藤原は何を言いたいんだろう」と考えることもしなくなっていった。
 
なんとなく大学に潜り込むことに成功した後も、
バンプとの距離の取り方はわからなくなった。
新曲をYouTubeで聴いても、特に感想を持てなかった。
バンプのボーカル、藤原基央の言う「大丈夫」は、
リスナーの隣に立って歩いてくれているような安心感があるけれど、
アジカンのボーカル、後藤正文の言う「オールライト」は、
リスナーを力強く引っ張っていくような響きがある。
どこか「このままではダメだ」と強い焦りを感じていた自分には、
ゴッチの頼もしさが救いだった。
バンプが札幌にライブに来ることがあっても、
まあ今度でいいかと思うようになってしまった。
 
 
 
大学に入って3年目、僕はドイツに留学することになった。
初めての海外、初めての一人暮らしで、とても心細かった。
最初の1ヶ月くらいはとんでもなく寂しかった。
サカナクションアジカンのアップテンポな曲で、
無理やりテンションを上げていた。
迷惑な住民だったと思う。
バンプの曲は、昔の曲であってもあまり聴かなくなっていった。
 
そして、つい先日。
YouTubeで見つけた、バンプの新曲「記念撮影」。
悪くないなと思った。
というか、泣いた。
自分のタイミングとバンプのタイミングがぴったり合致した時、
彼らの曲は信じられないくらい心に浸透してくる。
将来についての終わらない模索の中に見える、灯台のような曲だった。
そして、藤原自身の葛藤とそれに対する彼なりの答えのようにも聴こえた。
 
写真は、決して未来を写すことができない。
常に写るのは「今」で、撮影された瞬間からそれは過去になる。
でも、その写真が未来に与える影響だってある。
記念撮影が未来の自分にエネルギーを与えるかもしれない。
過去を積み重ねることでしか、未来に行くことはできないのだ。
 
想像じゃない未来に立って/僕だけの昨日が積み重なっても
その昨日の下の/変わらない景色の中から/ここまで繋がっている
迷子のままでも大丈夫/僕らはどこへでもいけると思う
君は笑っていた/僕だってそうだった
終わる魔法の外に向けて/今僕がいる未来に向けて (BUMP OF CHICKEN 「記念撮影」より)
 
「記念撮影」は、今までバンプの曲が自分を救ってきたことを思い出させた。
過去のアルバムを色々聞き返した。
中学校の教室で感じていた強い劣等感に対して、
「大丈夫だよ」って励ましてくれた、バンプの存在を思い出した。
俺にはBUMP OF CHICKENがいるんだと、どうして忘れていたんだろう。
自分がバンプから離れていた間に出ていた曲の良さも、今なら少しはわかる。
結局のところ、雰囲気を変えバンドとして前進したバンプに対して、
わけもなく距離を置きたくなっただけなのだ。
他のアーティストの曲をたくさん聴く機会を得られた、という意味ではよかった。
けれど、よくわからない意地で好きなバンドから遠ざかってしまったのは、
もったいなかったように思う。
 
 
 
こうしてまたバンプの歩く速さと自分の歩く速さがシンクロして、
彼らの曲を素直に受け止められるようになったのはすごく嬉しい。
どこか暗くてメランコリックだった彼らが前向きな歌詞を、
それも「生きるのは最高だ」と歌い上げるのを自分が肯定できているのが嬉しい。
斜に構えてる方がかっこいい、という狭い考え方から抜け出せた気がするからだ。
いや、それがカッコ悪いとはやっぱり思えないけれど、
ストレートに歌い上げることもまた、かっこいいのだ。
 
 
バンドが変わるように、自分もまた変わっていく。
その中でアーティストの曲と自分の気持ちがピタリと重なる瞬間は、
すごく幸せなものだと思う。
 
今年の9月末に、札幌でライブがあるらしい。
ことしは、観に行く。
 

写真がうまくなるためのキーワード「PPAP」

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(2017年5月20日 シュトットガルトにて)

 

こんにちは、れいやです。

 

最近、「どうしたら良い写真が撮れるんだ」
ということばっかり考えてます。

 

そもそも、良い写真ってなんでしょうね?
撮った自分自身で納得できることだったり、
身近な人に褒めてもらえることだったり、
コンテストで入賞することだったり、
はたまた「いいね!」の数かもしれません。
「良い写真」の基準は人それぞれですね。

 

しかし、それぞれの「良い写真」に近づくための方法はひとつしかありません。
そう、「PDCAを回す」ことです。

 

PDCAサイクル - Wikipedia

 

PDCAとは、
「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(確認)」「Action(改善のための行動)」
の頭文字を取ったものです。

このサイクルを回していくことで、

仕事はうまくいくし収入は倍になるし彼女も15人できる、というシロモノです。

企業経営の場合であれば、
あるプロジェクトを「Plan」し、
実際に「Do」し、
お客様からの反応や問題点を「Check」し、
次の「Action」に生かしていく…...という感じでしょうか。


これを写真に置き換えて考えてみると、
つまりこういうことになります。

こういう写真が撮りたい!と「Plan」し、
実際に撮影「Photograph」し、
撮れた写真を見て、自分自身or友人と「Argument(議論)」し、
それを活かしてまた「Photograph」する。

おわかりいただけたでしょうか?

 

PPAP

www.youtube.com

 


すみません、取り乱しました。
もうちょっと説明させてください。

 

まず、最初のふたつの「P 」(photograph) (plan)について。
「写真を撮る前に仕上がりを予想」したり
「こういう写真が撮りたい」と思い描いた上で撮るのは、
写真の技術を磨く上で重要な視点です。
こうしたい!という思いこそが、

「大きくぼかすためには?光がもっと綺麗に入るためには?」と、
写真をよりよくするための工夫につながってくるはずです。
なんとなく撮った写真に対して反省したりするのは、ちょっと難しいはず。

次に、「A 」(argument=議論)。
「もっとこうした方が良かったんじゃないか?」と
心の中のリトルホンダに問いかけたり、
上手な人に意見をもらったりすることも、
もちろん重要です。
Google先生に聞いてみるのも良いでしょう。

そして、これらを活かしてまた「P(hotograph)」撮影をする。

このPPAPを回していきましょう。
なんだか、むかし先生に言われた
「予習、授業、復習の黄金サイクル!」
に似たなんとも言えない胡散臭さを感じないでもないですが、PPAPはきっと大切です。

 

ところで、勉強の方のPDCAもうまく回したいものです。
学生のみなさん、テストがんばりましょう……。

それでは!